愛知の教授雇い止め、あっせん不調 組合側が大学側を提訴へ
毎日新聞 2022/3/29(火) 6:45配信
名古屋産業大と名古屋経営短大(いずれも愛知県尾張旭市)の教職員組合で書記長を務める50代の女性教授が、両校を運営する学校法人「菊武学園」から組合結成後に雇い止め通告を受けていた問題で、組合側が紛争調整のため県労働委員会に申請していたあっせんが不調に終わったことが28日、関係者への取材で明らかになった。組合側は女性教授の地位確認を求めて提訴する方針。
女性教授は2020年11月、同短大の40代の女性元准教授(21年3月末で退職)らとともに両校で組合を結成し、書記長に就任。21年3月、同学園から「ゼミの指導不足や講義の一部未開講」などを理由に、22年度以降の契約を更新しない旨を通告された。組合側は「組合活動への報復で不当労働行為だ」として学園に雇い止めの撤回を求め、あっせんを申請した。
組合は21年12月、学園に撤回要求書を提出したが、学園側は「(女性教授は)組織人としての意識の欠如がある」などとして拒否。今年2月24日の県労委によるあっせんでも、学園側は解決金を支払うと主張したため不調に終わった。
組合側は取材に「学園は問題を認識しておらず、あっせんにおいても誠実な対応が見られず大変遺憾。今後、地位確認の提訴をしたい」としている。
21年3月末に退職した組合委員長の女性元准教授も雇い止め撤回を求めて県労委にあっせん申請したが、学園側は撤回せず解決金を支払った。【川瀬慎一朗】